違法残業、4割超の事業所で確認-16年度、厚労省立ち入り調査
- 2017.08.04
- 就労トピックス
厚生労働省は26日、2016年度に長時間労働が疑われる2万3915事業所を立ち入り調査した結果、
43.0%の1万272カ所で労使協定を上回るなど違法な残業を確認したと発表した。違反が確認された事業所のうち、従業員の時間外・休日労働が月100時間を超えていたのは5559カ所(54.1%)と5割を超えていた。同省の労働基準監督署が立ち入り調査したのは、残業が月80時間超の従業員がいるとされた事業所。
16年4月に重点監督対象となる残業時間の基準を従来の月100時間超から月80時間超に引き下げたため、立ち入り調査先は15年度の1万185カ所から大幅に増えた。長時間労働による労働基準法違反が確認された事業所の割合は43.0%で、15年度の56.7%から下がった。厚労省によると、労使協定の特別条項で残業の限度を80~100時間としている事業所が一定数あり、立ち入り調査の対象になったが労使協定の範囲内のケースがあったという
長時間労働以外では、労基署が残業代を適切に支払っていないとして是正勧告をした事業所が1478カ所(6.2%)あった。
(「違法残業、4割超の事業所で 16年度、厚労省立ち入り調査」 日本経済新聞 2017年7月26日)
違法な長時間労働を行っている社名公表基準を100時間から80時間へ引き下げられ、万が一新聞やネットで企業名の公表等に
及んだ場合、❝ブラック企業❞の汚名を着せられることにもなりかねず、企業イメージの失墜や採用活動へ悪影響を及ぼす可能性もあります。
なお、過労死の原因となるメンタルヘルス不調、脳・心臓疾患は、発症前の1ヶ月間に100時間超、または2ヶ月から6ヶ月間に
月80時間超の時間外労働があった場合にリスクが高まるとされておりますが、就労実態をリアルタイムに見える化し、長時間労働の抑制、メンタルヘルス不調の未然防止に日々取組む必要があります。